嚥下内視鏡検査で完全側臥位法を指示された患者入院患者の退院時摂食状況 

金丸亜希子1)、牧上久仁子1)、鹿沼優1) 小倉恵子1)、安藤美歩1)、福村直毅2)
1)大田病院リハビリテーション科、2)健和会病院 

●はじめに

当院では嚥下内視鏡(VE)の結果、従来の保存的治療を行っても誤嚥リスクのある嚥下障害のある患者さんに対して、完全側臥位法(福村ら、2012)を活用して嚥下リハビリテーションを実施しています。
完全側臥位法の実施には患者や家族の理解、看護スタッフの協力が不可欠であり、その長期予後についてはデータの蓄積が待たれるところではあります。
わたしたちは、嚥下障害のある患者さんに対する完全側臥位法の長期的な効果、及びコンプライアンスを検討するため完全側臥位法を指示された患者の予後調査を行っています。
今回は入院時に実施されたVEで完全側臥位法を指示された患者が退院時にどのような栄養摂取を行っていたかについてまとめたので報告します。 

●方法・結果

2016年1月~12月までの1年間に当院でVEを受けた入院患者125名のうち、初回VEで完全側臥位法での経口摂取を指示された患者さんは72名(57.6%)のうち退院時の摂食指導で完全側臥位を指示されたのは12名(21.8%)、座位での摂取が可能であったのは55名(76.3%)、経管栄養で退院したのは3名、死亡退院は2名でした。 

●考察

完全側臥位法により嚥下機能が向上し、7割以上の患者が座位での経口摂取が可能となりました。これは完全側臥位法により食材の誤嚥が減り、咽喉頭の炎症が軽快して、咽頭知覚が回復したことが嚥下機能向上の理由と考えられました。
その一方、完全側臥位法が必要と判断されても様々な理由で実施不可能で座位摂取で退院となった患者さんもいました。
嚥下リハの効果のさらなる向上のためには、退院時における家族や施設関係者への指導方法を工夫することが必要であります。